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zoom RSS 「ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート」の紹介

<<   作成日時 : 2011/01/30 11:09   >>

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 先週発売された「ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート(コナミ/NDS)」を空いた時間に遊んでいます。本日はこれをご紹介。

ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート(DS)オフィシャルサイト
http://www.konami.jp/gs/game/hirameki/


(プレミア価格がついているかもしれませんが、Amazonに在庫があれば3300円くらいです。定価は3980円)

 このゲームは米国5THCELLが制作した「SCRIBBLENAUTS」をコナミがローカライズした物でして、土屋は以前英語版を購入して遊んでいました。2010年の冬コミに出した個人誌「土屋つかさの今か無しかオフラインC79」にて、この英語版のレビューを書いたので、まずはそれを引用します。

(引用ここから)
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■SCRIBBLENAUTS(NDS)

 今年後半のゲーム研究系の人たちの間でものすごい話題になったのがこの「SCRIBBLENAUTS」というゲームです。ステージごとに「屋根に上った鼠を女の子に返せ」などのお題が出て、それを解決するのですが、その方法がちょっと驚き。アルファベットで使えそうな物の名前を書くと、なんとその物が画面に出てくるのです!

 例えば「WING」と書けば翼が出てくるので、主人公にそれをつけて空を飛ばさせて鼠を捕りに行ってもいい。「FIRE」で火を出して家を燃やせば鼠は驚いて女の子の胸元に飛び込んできます! 登録されている語数はなんと22000以上! 何に使うのかわかりませんが「GOD」から「CTHULHU」まで入っています!(笑)

 ゲーム内のオブジェクトは物理演算処理されていて、積み重なったボトルをボールをぶつけて倒したり、地面に穴を掘ったり出来ます。レースクイーンの前に「JUEL」を落とすと、手に持っていたトロフィーを放り投げて宝石を取りに来ます。この例だけをとってみても、恐ろしく巧妙なパラメーター設定がされている事が分かります。

 このゲームの凄さは、一重に「このシステムを実装した事」にあります。正直、ゲームプランナーであれば誰もが一度は想像したシステムではないかと思います。しかし、(ひどい言い方ですが)ちょっと考えてもあまりにも設計が膨大になってしまい、まともにデザインしようとは思わないでしょう。

 にも関わらず、このゲームはそれを実装し、製品化してしまった。22000個のオブジェクトが個々にインタラクションを起こす事をどうやってデバッグしたのかが気になります(まともな方法では無理でしょう)。また、オブジェクトごとのパラメーター設定やAIのリンクなども、膨大な手間と時間がかかっていると予想されます。本当に凄い。

 海外でも非常に高い評価を得ているようで、来年には日本語版が発売されます。土屋達は英語版を遊んでいるのですが(NDSはリージョンフリーなのです)、「これはいくらなんでもローカライズ不可能だろう」と笑いながら遊んでいたので、日本語版が一体どうなっているのか今からとても楽しみです。

 「もじぴったん」が発表された時、「国語辞書をデータとして全部載せる」というアイデアにゲームプランナーは度肝を抜かれました。「大容量ディスクにそういう使い道があったか! やられた!」と思ったわけです。「SCRIBBLENAUTS」からはそれと似た驚きを得ました。ゲームはまだまだ面白くなる。これからの展開が楽しみです。

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(引用ここまで)

 で、ついにこの「SCRIBBLENAUTS」が「ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート」と名前を変えてコナミより発売されました。このローカライズ(日本語に移植する事を指します)が素晴らしい仕事になっていました。以下、それを含めて気づいた事を書いてみます。

■ローカライズが普通に上手い。

 ステージクリア時に、使った言葉に応じてメダルをもらえるのですが、「武器を使用しなかった場合」のメダルの名前が「NO WEAPON」でした。これどうするのかなと思ったら「へいわしゅぎしゃ」になってました。これは上手い翻訳。

 ただ、チュートリアルの最後に「これであなたはほんとうの「スクリブルノーツ」になりました」と言われるんですが、日本語版では恐らくここ以外に「スクリブルノーツ」なる言葉は出てきません(笑)。ちなみに「SCRIBBLENAUTS」は「scribble(落書き)」+「nauts(航海者)」からなる造語です。

■言葉の融通性

 上でも書いた「CTHULHU」は、日本語では大きく分けて「クトゥルー」「クトゥルフ」の2通りの呼ばれ方をしています。ローカライズで一体どっちの単語で登録されるのか(土屋を含めごく一部の人間が)期待していたのですが、なんと「どっちの言葉も入っていた」のです!

 この例を見ただけでも、単なる英語→日本語への逐語翻訳なのではなく、新たにリソースデータを構築し直している事が分かります。また、「ひらがな」と「カタカナ」の使い分けにも対応しており、手書き入力も対応。日本語の文字入力のUIをゼロからデザインしているようです。

 ただし、このひらがなカタカナの使い分けは、カタカナで辞書登録された言葉がひらがなでは検索出来なかったりして、残念ながらあまり上手く機能してないのですが。辞書容量の問題かな?

■日本語版オリジナル要素の追加

 これが本当に驚いたのですが、コナミによる移植という事もあり、有名なコナミキャラの言葉を入力すると、そのキャラが登場するのです! 土屋が見つけたのは以下。

・ソリッドスネーク(メタルギアソリッドスネーク)
・ビッグボス(同)
・オールドスネーク(同・ちなみに小島秀夫さんが原作に感動して小島プロダクションがローカライズに協力しているらしい)
・まなか(ラブプラス)
・しおり(ときめきメモリアル)
・ゴエモン(がんばれゴエモン)
・えびすまる(同)
・ビックバイパー(グラディウス)
↓この二つはあまりネットで見かけなかったのでレアかも。
・パワプロ(熱血パワフルプロ野球)
・アルカード(キャッスルバニア)

 ネットでは他にもpop'nミュージックのキャラなども発見されているようです。しかもこれらがただ出てくるだけじゃなく、「ヒラメキパズル」の世界観の中でちゃんと機能して動くのです(ビックバイパーには乗り込んで操縦出来るし、ビッグボスはかなり強い)。元作品のデータ管理の柔軟さ、巧妙さを感じ取れます。

■CERO指定について

 日本語版では、電源ON時に「このゲームのせかいはにんぎょうたちのかくうのせかいです」という注釈が出るのですが、英語版にはこの表記はありません(多分)。海外では「12歳以上:暴力描写あり」であるこのゲームが、日本では「CERO:A(全年齢対象)」になっているのは、この表記による物なのかな?(関係無いかもしれませんが)

■散々褒め称えましたが

 これから購入するかもしれない方に注釈をつけておくと、操作性は結構難があります。物理演算処理が入っている事もあってか、特に物と物を接続する操作が非常にめんどくさい。ロープがくっつかないよ! また「プレイヤーが出した物体は自由に動かせるが、はじめからある物体はそうではない」というが、逆にゲームに一貫性を与えていなかったり。

 また、割と万能な言葉がいくつかあって、それらを組み合わせると大抵のステージがクリア出来るという構造上の問題もあります。例えば、物を運搬する系のステージは、ヘリコプターとロープを使えば大抵の場合解決出来てしまいます。

 これについては同じ言葉を使わずに、同じステージを3回クリアしなければならない「アドバンスモード」で対応しているのですが、この「同じ言葉を使わずに」がくせ者でして、例えば割とチート装備である『翼』という物体は「つばさ」「はね」「ウィング」のどの言葉でも出せて、これで3回クリア出来てしまうのです。これはシステム上の不備かなあ。

 ただ、それらの難点を踏まえた上で、このゲームには今までのゲームには無かった不思議な香りを感じずにはいられません。時間を見つけて、ステージを進めていこうと思います。

■最後に小ネタいくつか

・スタート画面からスタッフロールが見れるのですが、ここにローカライズスタッフの名前が入ってないのが非常に残念でした。全部クリアすれば見れるのかな?
・twtiterでのオフィシャルハッシュは#hirameki_maxのようなので、みんな使おう!
・「やりなおし」の時、デモが再度流れるけど、これはSTARTボタンで飛ばせます。
・「クトゥルー」の他に「ショゴス」も出てきます。どんだけクトゥルー神話特別扱いなんだよ(笑)。

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