「志士の時代 幕末ボードゲーム」レビュー

 先日遊んだ「志士の時代 幕末ボードゲーム」のレビューです。

 このゲームはウォーゲーム日本史第9号の付録ゲームで、鈴木銀一郎さんの最新作になります。佐幕(幕府を補佐する)か倒幕かで揺れ動く幕末の時代を、その時代に生きた人物に強く注目したアナログゲームです。プレイヤーは自身の陣営に佐幕派も倒幕派も抱え込む事になるという非常に独特なゲームシステムで、面白いプレイ体験でした。

 ルールを読みながらの手探りプレイだったのと、3人プレイだった事もあり、本来のゲームの綾を楽しめたのかはちょっと微妙なのですが、結局、ゲーム的にはクライマックスの筈の戊辰戦争が勃発しないまま最終ラウンドが終わってしまい、それまでほぼ独走していた土屋が勝利しました。次は人数を増やして、戊辰戦争を含めて遊んでみたいです。

 ゲームシステムはとてもチャレンジングで(まず類例を見た事が無い。幕末の混乱期というシチュエーションを再現する点では非常に優れたデザインだと思います)遊んでいる最中も「面白い」の声が上がっていました。

 しかしながら、マニュアルやマップのデザインについてはもっと分かりやすく、プレイアブルに出来るだろうという意見が出ました。以下、UIレベルで感じた点を列挙します。ただし、これはゲーム自体の難点では無い事は強調しておきます。「こうすればもっとプレイアビリティが上がるのに! 惜しい!」という気持ちを並べているのだと思って下さい。

 ゲーム中一番困ったのが、人物カードの人名にルビが振っていない事です。無知をさらすようで恐縮なのですが、有名人物以外はほとんどの人名がまともに読めませんでした。アクションを実行する時にはカードの名前を読み上げたいのですが、その名前がちゃんと読めないというのがゲーム中常にストレスになりました。

 ルビについては、次回プレイする時までに人物一覧表(それらの人物の歴史的役割も含めた物。ただ、カードサイズによる制約もあるでしょうが、これはフレーバーテキストとしてカードに入れて欲しかった)を作るか、カードにルビを振ろうと思っています。

 また、このゲームのメインは歴史ゲージと勝利点ゲージなので、この二つをもっとデザイン面で強調して良かったと思います。例えば、勝利点が15点未満だと強制敗北という特殊ルールがあるのだから、それを得点ゲージに記載して欲しかった。また、25点以上が絶対勝利なら、25点までゲージを作って欲しかったです。

 総じて、マップやカードが「幕末の史実での動向を知っている事が前提」のデザインになっているのだと感じました。ここが実に惜しいです。マップに少しでも説明が書いてあれば(例えば「佐幕」や「大政奉還」がどういう思想なのかを併記してあれば)、「ゲームを通して幕末という時代に生きた人達とその思想を知るゲーム」になれたと思うのです。

 長々と書いてきましたが、次回はマップを大改造して、上記の問題に対処した上で再度遊んで見るつもりです。